
第1回 金賞作品 加藤智則さん(宮城県)
第2回 金賞『渡る傘』吉田尚乎さん(東京都)
第3回 金賞『最後の社員旅行~米沢で救われた言葉~』岡 弘さん(神奈川県)
第4回 金賞『車内の情景』戸澤三二子さん(愛知県)
第5回 金賞『扉をひらいて』齋藤典子さん(埼玉県)
第6回 金賞『受験の思い出』秋山瑞希さん(群馬県)
第7回 金賞『桃売り場の前で』佐藤恵美子さん(福島県)
第8回 金賞『忘れ物』山田幸夫さん(大阪府)
第9回 金賞『母の人としての優しさ』德沢彩さん(兵庫県)
第2回 金賞『渡る傘』吉田尚乎さん(東京都)
第3回 金賞『最後の社員旅行~米沢で救われた言葉~』岡 弘さん(神奈川県)
第4回 金賞『車内の情景』戸澤三二子さん(愛知県)
第5回 金賞『扉をひらいて』齋藤典子さん(埼玉県)
第6回 金賞『受験の思い出』秋山瑞希さん(群馬県)
第7回 金賞『桃売り場の前で』佐藤恵美子さん(福島県)
第8回 金賞『忘れ物』山田幸夫さん(大阪府)
第9回 金賞『母の人としての優しさ』德沢彩さん(兵庫県)
★第1回 金賞受賞作品 加藤智則さん(宮城県)
今から50数年前、中学生になって最初の中間テスト、社会科の地理にはかなり自信があったが、校内に張り出された結果は小差で学年2位、とても悔しかった。その後もトップは常にN君で、自分は万年2位。学年末のテストでは絶対にトップを取りたいと必死だった。翌年2月、学年末テスト前にN君は風邪で学校を休んだ。今回はチャンスとひそかに喜んだところ、社会科の先生に「N君の自宅へ見舞いに行って、彼の欠席した授業分のノートを貸してやれ」との指示。憤懣やるかたなく、断腸の思いでノートを貸した。
N君はライバルの私からノートが借りられるとは思っていなかったので、大感激してくれた。N君の喜ぶ姿を見ていると、今までのわだかまりは消え彼の病床で互いの勉強方法や先生の出題を予想した。
その結果、N君を追い抜くことができなかったが、2人とも満点だった。先生から褒められると共に、このときからN君とは無二の親友となり、現在も友情が続いている。