伊東忠太
明治から昭和にかけて活躍した、米沢出身の建築家、建築史家です。
神社仏閣設計の第一人者として知られており、建築界で初めて文化勲章を受章した人物です。代表的な建物として、築地本願寺、平安神宮、靖国神社などがあります。また米沢市名誉市民第一号で、米沢有為会の生みの親でもあります。東京帝国大学(現在の東京大学)を卒業して同大学大学院に進み、のちに工学博士・東京帝国大学名誉教授となりました。法隆寺が日本最古の寺院建築であることを学問的に示し、日本建築史を創始したことで知られています。
自身の考える日本建築のルーツを訪ねるためにユーラシア大陸を旅した後、アジアの研究を重ねて「建築進化論」を唱え、それを実践するように独特の様式を持った作品を残しています。妖怪好きとしても知られ、摩訶不思議な動物や妖怪などのイメージを、作品の中に登場させることもありました。
上杉神社 本殿
上杉神社本殿
一度大火で焼失した後、伊東忠太の設計で再建されました。
現在の社殿は、大正8年に起こった米沢大火で焼失した後、同12年に伊東忠太の設計により再建されたものです。忠太自身「殊に本殿廻りの一区はよく引きしまり落ち付きがあって清純純潔の感が深い」と感想を述べているように、唐門や透塀、檜造りの本殿・拝殿などに日本建築の美が感じられます。
上杉神社 稽照殿
上杉神社稽照殿
上杉神社の宝物殿です。
大火で焼失した上杉神社本殿の再建に合わせて建てられました。本殿と同じく伊東忠太の設計で、鉄筋コンクリートで建てられた重層切妻造りの宝物館です。国の登録文化財に指定されています。